なるべく週一でブログ更新を目指すsajonです。人間、やはり締切があったほうが張り合いのある生活になりますね。今日は『フォトマッチインカレ』について書こうと思います。
2019年8月24日(土)、大阪経済大学 A館フレアホールにて西日本フォトマッチインターカレッジ2019が開催されました。
今大会の参加校は以下の8大学です。
- 大阪経済大学
- 大阪工業大学
- 金沢工業大学
- 関西学院大学
- 甲南大学
- 同志社大学
- 佛教大学
- 立命館大学
立命館大学からは写真研究会の2回生2人と1回生3人が選手として参加しました。


フォトマッチインターカレッジとは
フォトマッチとは、5人一組でチームを結成し、風景写真の腕をトーナメント形式で競い合う大会です。
その中でもフォトマッチインターカレッジ(PMIC)は、各大学の写真系団体に所属している学生から選ばれた5人を一組のチームとし、定められた場所で定められた期間内に撮影された作品で大学対抗トーナメントを行い優勝を争うという大会です。
西日本では2018年が初開催となり、2年連続での開催となりました。
基本ルール
まず、対戦する2校が赤コーナーと白コーナーに分かれます。事前に提出した作品の中から、1ゲームごとにお互いに1枚ずつ作品を選びます。その後、司会の「オープン」の声とともに左右のスクリーンと審査員の手元のモニターに選ばれた作品が映し出されます。

3人の審査員がその場で判定を行い、良いと思った方の色のランプを押し、2つ取った方が1勝です。これを1試合で5ゲーム行い、3ゲームを取ったチームが勝利となります。
また、今大会からは赤コーナーと白コーナーに投影される作品がランダムで逆になるシステムが採用されました。これにより、審査員がどちらかのチームに肩入れできないように改善されています。
審査員は、フォトマッチではおなじみの月刊『フォトコン』の藤森編集長、隔月刊『風景写真』の石川編集長に加え、今年度は写真家の星野佑佳 先生の合わせて3名が担当されました。

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予選第1回戦
1回戦の相手は関西学院大学。試合は第5ゲーム目までもつれる接戦でしたが、5ゲーム目を立命館が取ったことで、立命館 3−2 関学 で勝利することができました。

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勝利した作品とその講評
第1ゲーム

- 光の配置が良く目を惹く。手元のかごも光っているのもいい
- 目にしたことのない新鮮な感じ
- 丸の面白さを1枚にまとめていておしゃれ
第3ゲーム

- グラデーションが美しく光の良さをよく捉えている。
- 雲が窓に写っているのが良い。ただ上の窓には白しか写っていないのが残念
- 右下に写り込んだライトはないほうがよかった
第5ゲーム

- 対比がおもしろい。地面の模様に目をつけたのも高評価。雲に表情があればなお良かった。右のビルの扱いがやや雑か
- 人のいない街をおしゃれに収めている。もっと大胆に切り取ってもよかった
- 赤信号が気になる。青だとなにもない面白さがより強調された
予選2回戦
2回戦の相手は同志社大学。昨年に続き今年も「立同戦」が実現しました。結果は同志社がストレートで試合を決め、立命館 1 – 4 同志社 で2回戦は敗北となりました。これで来年以降の伝統の一戦(?)の名称は「同立戦」に。

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勝利した作品とその講評
第5ゲーム

- 一つ一つの窓が同じ色でないのが良い
決勝トーナメント
予選を終え結果は以下のようになりました。決勝トーナメントへ進出する上位4チームは…

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金沢工大、同志社大、大阪工大、大阪経大の4校で決勝トーナメントを行うことに。立命館は自旗数(点灯したランプの数)1の差で大阪経大に敗れ5位、予選敗退となりました。
準決勝は金沢工大、同志社大が強さを見せ両者負けなしで決勝進出。3位決定戦は大阪経大が先に2勝を取るも追い詰められた大阪工大が逆転で3連勝を奪い大阪工大が勝利しました。今大会最大の見せ場だったと言えるでしょう。決勝戦は 金沢工大 3 – 1 同志社 で決着。2019年度の優勝は金沢工業大学に。おめでとうございます!
結果
1位 金沢工業大学
2位 同志社大学
3位 大阪工業大学
4位 大阪経済大学
5位 立命館大学
6位 甲南大学
7位 佛教大学
8位 関西学院大学
表彰式
1位から3位には大会実行委員長である産業能率大学 水島章広 教授から表彰状が贈呈されます。さらに、参加したすべてのチームに各協賛企業から副賞が贈られました。

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立命館は、SanDiskから「SDHC 32GB EXTREMEシリーズ UHS-1」5枚と、HAKUBAから「LUXXe ポリゴン バックパック(グレー)」をいただきました。
大会を終えて
私個人としては、初開催となった2018年大会では1回生で選手として参加しチームは3位入賞、2度目の開催となった今大会ではチームのリーダーを担当しました。今回のメンバーで前回大会を経験していたのは私一人で、しかも5人中3人が写真研究会に入って半年も経っていない1回生で、(キャンパスの都合で)顔を合わせるのが大会当日で2回目というような人もいました。そんな状況でも私についてきてくれて見事な作品を用意してくれたチームメンバーには感謝しかありませんし、だからこそ決勝トーナメントに連れて行ってあげることができず悔しい気持ちでいっぱいです。以下では大会を通じて思った感想や反省を書いていきます。
出てくる作品のレベルが確実に上がっている
最後の挨拶で、大会実行委員長の水島教授から「今大会では審査員から票を得ていない選手はいなかった」とコメントがありました。つまり、審査員にとっても票が割れてしまうような判断の難しい試合が多かったということです。私も肌感覚ではあるものの昨年から作品のレベルが上がっていることを感じていました。
私がとくに驚いたのが、各人の着眼点の鋭さとそれを一つのイメージにまとめあげる創造力が前回大会よりもさらに洗練されたものになったことです(※ここでいう創造力というのは、撮る前に脳内でイメージを完成させていく力のことを指します)。分かりやすく言うと、「これ何が撮りたかったの?」と審査員に指摘される作品がかなり減ったということです。これは、短い時間で作品に優劣をつけなければいけないというルールの性質上、コンセプトがはっきりしたものが勝つと前回大会で学んだことが大きいのだと思います。特に上位に残った大学はストーリ性やドラマ性が高い作品が多かったと感じました。
しかし、イメージを具現化させる技術力はまだまだ未熟なのかなというのが正直な感想です。ピントのずれ、余計な被写体が写り込んでいる、空間がうまく活かせていないといった指摘は今大会でも多く見られました。ですが、これは言い方を変えると、大学写真部の伸びしろはそこだということです。極端な話、写真はボタンを押せば撮れてしまいます。だからこそ、撮影時の技術の差で作品として見たときに大きな差が出てしまいます。その技術や経験を伝えていくことが大学写真部の一つの使命なのかもしれません。金沢工業大学が他を圧倒して優勝できたのも、技術力の継承がとてもうまくいっているからなのでしょうね。
敗因は「出し惜しみ」
昨年チームは3位だったわけですが、予選で良いカードを使いすぎて、予選1位だったのに準決勝で力負けしてしまったという反省がありました。そこで、今年は良いカードを少しでも決勝トーナメントに残そうと勝てそうな手札を出し惜しみするという選択を取りました。そして結果は知っての通り予選敗退です。目の前の試合と残りの試合の展開を予想しながら手札を切っていく難しさを改めて実感しました。
戦略で負けた立命館、戦術で勝った同志社
これは大会後に聞いた話なのですが、手札を温存する戦略を選んだ立命館に対し、同志社もまた良い手札を残しながら試合を進めていたそうです。それはなんと立命館を倒すため! 昨年の大会では、予選と3位決定戦で立命館と同志社が対戦しており、立命館が2戦2勝で終わりました。同志社は、今年立命館と対戦するときに備えて事前に対策をしていたとのこと。とくに昨年の出場者である私のことはとくに警戒していたらしく、私を倒すための手札を用意していたというのです。そして予選第2試合で対戦が実現。同志社は立命館が2ゲーム落としたときに次に私が出てくると予想し、例の手札を切ると本当に私が出てきて、しかも私は負けてしまうという笑 手札の残し方や選び方の戦術が見事だったと言えますね。
最後に
大会実行委員長の水島教授をはじめ、大会運営に関わっていただいた皆様にはこの場を借りてお礼申し上げたいと思います。2020年はどうなるか誰にもわかりませんが、似たような形で大会が今後も続いていったらいいなと思います。あと、参加校もっと増えるといいな…。
ところで、FUPC(日本学生写真部連盟)から、在宅でもできる写真部交流イベントとして「e-PMIC」を開催するとお知らせがありました。大会を円滑に進める都合で従来のフォトマッチとはルールが大きく変わっていますが、私も(ブログのネタに困っているので)枠に余裕があれば参加してみようかなと思います。もちろん、大会に参加してみたい新入生の方も募集中です。お待ちしております!

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※1 写真提供 金沢工業大学写真部
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